12月は美容業界が最繁忙期
現場で輝くためのプロマインド入門
ヘアセット・美容業界にとって、12月は一年で最も忙しい。予約は早朝から夜まで途切れず、イベント需要も集中する。技術者にとっては、一気に実力が試される月であり、同時に“プロとしての姿勢”が明確に見えてしまう月でもある。
ここで大きく伸びる人と、ただ疲弊して終わる人の違いは、技術ではない。現場での考え方=プロマインドがあるかどうかだ。
日本ヘアセットスクールでは、技術と同じくらい重視すべき“現場思考”をこう捉えている。
1. プロは「完璧」より“安定”を優先する
12月は、とにかく数をこなす月だ。
その中で求められるのは一発勝負の完璧さではなく、
・毎回同じクオリティ
・どの時間帯でもブレない仕上がり
・初対面でも迷わず提案できる軸
この“安定力”。
緊張や疲労があっても手が止まらない人が現場では信頼される。安定は技術だけでなく“考え方”で作るものだ。
2. 時間管理は技術の一部と考える
繁忙期ほど「速さ=価値」になる。
丁寧さと速さは両立できないと思われがちだが、実際は違う。
速い人ほど、
・迷う工程がない
・引き算の判断が早い
・お客様の好みを的確に聞ける
という、技術外の力が強い。
プロマインドを持つ人は、技術と同じくらい“段取り”を磨く。
3. お客様の言葉を“翻訳”できるかが差になる
お客様は専門用語を使わない。
「ふわっと」「大人っぽく」「派手すぎない」「盛りたいけど盛りすぎは嫌」
これら曖昧な言葉の意図をくみ取り、形にするのがプロ。
ここで必要なのは、
・質問の仕方
・似合わせの判断
・選択肢の提示
技術よりも先に求められる“コミュニケーション力”が、12月は特に成果に直結する。
4. 現場で生き残る人は「崩れにくさ」を最優先に考える
イベント続きの12月は、ヘアが長時間持つかどうかが満足度を左右する。
プロは、その日の気候、服装、移動距離まで含めて崩れにくさを設計している。
・風が強い日は前髪を甘く作らない
・マフラー使用時は襟足をコンパクトに
・湿度が高い日は巻きの種類を変える
“どんな状況でも持たせる”という視点が、現場での評価を大きく変える。
5. チームワークは技術と同じくらい重要
最繁忙期は、個人戦ではなく完全にチーム戦だ。
・挨拶の徹底
・席の回し方
・道具の共有
・仕上げの補助
こうした細かい振る舞いひとつで、サロン全体の回転が変わる。
プロマインドとは、
「自分だけがうまくなる」ではなく、
“現場を回す”視点を持てることでもある。
6. 繁忙期は“最強の成長期間”だと捉える
12月は厳しい。体力も奪われる。
けれど、現場が動く速度に合わせて働くこの期間は、他の11ヶ月より何倍も成長できる。
・判断が早くなる
・引き出しが増える
・技術の癖が矯正される
・失敗の質が変わる
プロは、繁忙期を“消耗する月”ではなく“鍛えられる月”として捉える。
技術だけでは現場は乗り越えられない
12月の現場で求められるのは、
・速さ
・安定
・判断
・気配り
・コミュニケーション
そのすべてを支える「プロとしての姿勢」だ。
日本ヘアセットスクールでは、実践的な技術だけでなく、こうした“現場で輝くための思考”を身につけることも大切にしている。
繁忙期でこそ、プロが生まれる。
12月をどう過ごすかで、来年のあなたの評価は大きく変わる。


